近年、町の至る所にテイクアウトの専門店を見かけます。弁当屋、唐揚げ店、さらに最近では、カレーやお寿司のお店も増えてきました。
テイクアウト専門店は、一般的なレストランと違い、規模が小さく1人でも始めやすいのが特長です。それでも、ひとりで開業する際には準備や手順が分からないことも多いでしょう。
今記事では、テイクアウト専門店の開業までの手順や、儲かるテイクアウト専門店の作り方を解説していきます。
テイクアウト専門店とは、交通量の多いロードサイドやアクセスの良いエリアで営業し、テイクアウトサービスのみを提供するお店のことを指します。
近年、この種の店舗は多岐にわたり、ファストフードやお弁当だけでなく、からあげ、エスニック料理、スイーツなどさまざまな種類の食品を提供する店舗が増加しています。
2020年以降、新型コロナウィルスの拡散とともに外食産業が困難な状況に直面している中で、テイクアウトやデリバリー専門の店舗が一層の注目を浴び、その人気が急上昇しました。
また、飲食店での外食時に徴収される10%の消費税に比べ、テイクアウトは8%の軽減税率が適用されることが、その増加する人気を一層後押しとなりました。
このような状況を背景に、今後もテイクアウト専門店の需要はさらに高まると予想されます。
客席が入らないため、テイクアウト専門店は狭いスペースでも開業できます。
狭い営業スペースだと賃料が抑えられ、初期の契約金や補償金も低く抑えることができます。これにより、開業時の初期投資を節約できるのです。
ただし、立地条件が良くないと営業に支障をきたす可能性があるので、人通りの多い場所やアクセスが良い場所を選ぶことは大切です。
一般的なレストランでは、オーダーを受け付けるホールスタッフや、食器の清掃を担当するスタッフなど、多数の人手が必要となります。
しかし、テイクアウト専門店は客席が存在せず、食器の利用も限られるため、極めて少ない人員での運営が可能です。
これが人件費の大幅な削減を実現し、経営コストを最小化する重要な要素となります。
上記で述べたように、テイクアウト専門店は賃料や人件費など、経営にかかるコストが小さいです。そのため比較的低資金でも始めることができます。
また、飲食店を始めるにあたり、従業員の採用は手間やコストがかかりますが、テイクアウト専門店は少人数でも可能です。
キッチンカーなどの狭いテイクアウト専門店ならば一人でも十分営業できるため、一人で始めたいという方も参入しやすいビジネスになります。
テイクアウト専門店を始める際だけでなく、いかなる新しいビジネスを立ち上げるときにも、ビジネスプランの策定が極めて重要です。
開業の目的や取り扱う商品の具体的な計画を明示することにより、現在不足している側面や今後取り組むべき課題がはっきりと見えるようになります。
ビジネスプランの作成方法はさまざまですが、具体的なアプローチが難しい場合、以下の5W1Hをガイドラインとして事業のコンセプトを固めると良いでしょう。
– Why(なぜ):ビジネスを始める動機や理由
– Who(誰が):ターゲットとなる顧客層は誰か
– Where(どこで):ビジネスの立地はどこか
– What(何を):提供する商品は何か
– When(いつ):ビジネスを開始するタイミングはいつか
– How(どのように):事業を運営・展開していく方法や戦略
ビジネスコンセプトが具体化したら、次のステップは適切な物件の選定と店舗の立地になります。
テイクアウト専門店の成功には、人通りが多い場所や交通アクセスの良さが成功の要因となります。したがって、選定する土地の特性を深く調査し、それを基に店舗の場所を選ぶことが大切になります。
さらに、競合店の調査も欠かせない作業です。一般的な飲食店を含め、同じビジネスモデルの競合が少ないエリアを選定することで、ビジネスが繁盛する可能性が高まります。
テイクアウト専門店は「食品衛生責任者」と「飲食店営業許可証」の取得が必須になります。
◾️食品衛生責任者
飲食店を営業する場合、食品衛生責任者という有資格者を店舗に1人設置しなければなりません。食品衛生責任者は各都道府県の食品衛生養成講習会の受講後資格を取ることができます。
申し込み方法は各都道府県によって異なりますので、各都道府県の食品衛生協会の公式サイトを確認しましょう。
◾️飲食店営業許可証の取得
次に、飲食店営業許可証の取得が必要です。飲食店営業許可証とは、開業するお店を保健所に申請し、審査基準を満たせば受け取ることができます。申請書類の準備なども含め、取得まで2週間程度かかることを理解しておくといいでしょう。
そもそもお店がお客さんに認知されていない、もしくは集客がうまく行っていない場合は、売上が少なく、なかなか儲けが出ないでしょう。
お店を認知してもらうためには集客するための販促活動が重要となります。
テイクアウト専門店では、お客さんに対してオンラインで早く手軽に情報を発信する方法がおすすめです。
例えば、Googleマイビジネスで店舗情報を登録すれば、お客さんが検索やマップ機能を利用する際に、店舗情報を表示させることができます。
また、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを活用して、ターゲットとしている客層に宣伝するのも良い方法です。
それ以外にも、オフラインで販促活動を行うのも効果的です。
オフラインでできる販促活動は次のようなものがあります。
上記のような販促ツールを、お店の立地などに合わせて上手に活用しましょう。
テイクアウト専門店では、効率よく売上と利益を確保できるオペレーションの構築が非常に重要です。
オペレーションの効率が悪いお店では、忙しい時間も暇な時間も同じ人数でお店を運営し、無駄な人件費を使いすぎて儲けが出ないといったケースがよくみられます。
無駄な出費を無くすためには、忙しい時間帯のみアルバイトなどを増やすなど、効率よくお店を回せる体制から作り直す必要があります。
手の空いた人材や時間を有効活用するために、デリバリー事業を始めるのもひとつの手です。
Uber Eatsや出前館などの配達代行業者を利用すれば、配達のための人員を新たに追加する必要もありません。
注文されてからゼロから作り始めるとお客さんを長く待たせるので、速さが重視されるテイクアウト専門店では、ある程度食材を作り置きしています。
そのためテイクアウト専門店では、客数予測が大きく外れた場合、準備していた食材を廃棄しなければならないので廃棄ロスが出やすいという特徴があります。
売上の約3割を占める食材費。大量の廃棄ロスは利益を圧迫するので、過剰な仕入れや歩止まりには気をつけなければいけません。
テイクアウト専門店で少しでも多くの儲けを出すためには、経費の節約が不可欠です。
しかし飲食店の経費の削減については、やり方を間違えると商品の質を落とすだけでなく、衛生面や安全面にも影響する恐れがあります。
そこで、次の3つのポイントを押さえることで、テイクアウト専門店の効果的な節約ができます。ぜひ参考にしてください。
飲食店でかかる経費として使われる言葉に「FLR」があります。
FLRとは、次の3つの英語の頭文字をとった造語で、飲食業においての経費を表す言葉として重要視されています。
「Food」のFが材料費を示し「Labor」のLがアルバイトや正社員にかかる人件費を指します。そして「Rent」のRが家賃の賃料を意味します。
一般的にはFLR比率が70%を超えると、経営状態はかなり厳しいと判断されます。
あくまでひとつの経営指標ですが、経費を数値化してみて見直すことは意義があるかもしれません。
テイクアウト専門店で儲けを出すには、ローコストオペレーションを徹底することが必須です。
できるだけ簡素化した調理工程によって作業工程を減らし、人件費を削減することがテイクアウト専門店で儲けを出すための秘策と言えるでしょう。
もし、時間や人材のリソースが余るのであれば、デリバリー事業を初めてみるのも良いかもしれません。
Uber Eatsや出前館などの配達代行業者を活用すれば、新しく配達の人材を探す必要がないので、今の人材でも運用が十分可能です。
テイクアウト専門店では、食材を有効に使うことも、収益を大きくする上で重要な施策となります。
食材の有効活用には、安い食材を上手に調理して提供するのも良い方法の1つですが、安い食材を使って味のレベルを下げることはあってはなりません。
飲食店にとって、食材の廃棄ロスは利益を圧迫する要因の1つです。そこで廃棄ロスをなくすことにより、質の良い食材でも原価率を抑えて提供できます。
そこでおすすめなのが、複数のフランチャイズ本部に加盟しながら同じ食材で異なった料理を提供する方法です。例えば鶏モモ肉は、からあげや親子丼、照り焼きなど、複数のメニューに対応しやすい食材です。
実際に複数のフランチャイズ本部に加盟しながら複数のメニューを提供し、売上をどんどん伸ばしている加盟店も少なくありません。
このように、質の良い材料を無駄なく使うことで、お店のイメージと料理のレベルアップが可能となるでしょう。
テイクアウト専門店を開業してみたが、いざOPENしてみると売上が上げられず、すでに厳しい経営状況が続いているお店も多いのではないでしょうか。
テイクアウト専門店はトレンドの料理やスイーツを販売することが多く、ブームが過ぎれば一気に売上が下振れるといったことも珍しくありません。
実際に、コロナ禍で急速な拡大を見せた唐揚げテイクアウト専門店は、現在多くの店が撤退に追い込まれています。
しかし、最近よく耳にする「バーチャルレストラン」が撤退寸前のテイクアウト専門店を救うかもしれません。
バーチャルレストランとは、実店舗のキッチンを利用して、異なる業態のデリバリー事業をしている店舗を指します。
例えば、唐揚げのテイクアウト販売をしながら、デリバリーでサラダを販売しているような店舗のことです。
テイクアウト専門店がバーチャルレストラン化する大きなメリットは、「今ある人材、設備を有効活用できる」という点にあります。
お客さんが来ないときの手が空いた時間や、空いたキッチンでデリバリー事業を行うことでリソースの無駄がなくなります。
実際にバーチャルレストランを始めた唐揚げテイクアウト専門店の経営者にインタビューした記事もありますのでぜひご覧ください。
このようにテイクアウト専門店においては、営業形態をシンプルにすることで、収益をコントロールできるのが大きなメリットです。
飲食店経営は、2020年以降に大きな変革期を迎え、個人で事業展開しやすいテイクアウトやデリバリーの専門店が台頭しています。
テイクアウト専門店を経営しながら思ったように収益をあげれずに悩んでいる方や、これから新しい事業展開をお考えの方は、ぜひ一度huriuriにご相談ください。
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