新型コロナの発生により、スーパーやコンビニなどで惣菜を買ったりデリバリーを利用して自宅で食べる「中食市場」が盛り上がりを見せました。販売側も惣菜の味や提供方法を改善し、社会の動きに沿った需要に応えようとしています。
コロナをきっかけに惣菜の価値が見直されている中で、昔から愛されているのが「お弁当」です。今でもコンビニ、スーパー、専門店などあらゆるところで販売されている惣菜料理のひとつです。
今回は、弁当屋を開業したい方に向けて、どのような形で開業できるのか、必要な資格、自宅での開業方法、おすすめのフランチャイズなどを紹介します。
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日本惣菜協会の発表によると総菜市場は2020年にコロナの影響を受けて市場が縮小したものの、2021年には10兆1149億円と2019年の98%まで戻ってきています。
引用:「2021 年惣菜市場規模」日本惣菜協会資料より
より細かく見てみると、特に食品スーパーやCVS(コンビニエンスストア)の売上水準が高く、強さが際立っています。
特にコンビニエンスストアは自社の専用工場を増設したり、家飲み層に向けておつまみメニューに注力するなど競争を勝ち抜く努力を惜しみません。
食品スーパーも自社製造に力を入れて低価格の実現かつ独自性を出してきています。それぞれが時代のニーズに合った販売戦略の元、厳しいコロナ禍を切り抜けてきました。
では、そもそも消費者が惣菜に求めるものとは何なのでしょうか?
同協会が 2022 年2月にまとめた消費者調査によれば惣菜を購入するときの基準となるものは下記の3つでした。
引用:「2021 年惣菜市場規模」日本惣菜協会資料より
「おいしさ」が「価格」を抑えて1位。味に対しての意識が高まっている背景には、外食機会が減少し、中食にプロの味を求めたい本音が垣間見えます。
実際に「今後購入したいもの」という問いに対して「家庭では作りづらい惣菜」がトップに。ただ、「野菜が多く含まれた惣菜」「栄養バランスのとれた惣菜」という回答もあり、味のおいしさに加えて健康志向の高まりも見て取れます。
今後、お弁当屋を開業するのであれば、このあたりを抑えた商品の提供ができるかどうかがポイントとなってくるでしょう。
お弁当屋といってもさまざまな形態での開業が可能です。ここでは代表的なお弁当屋の店舗形態を3つ紹介します。
店舗型とは、実店舗を構えて弁当専門店として営業するスタイルです。
店舗を構えることで認知はされやすいですが、お弁当のニーズが高いビジネス街やマンションの立ち並ぶ住宅街など立地は見定めなければなりません。
また、その街に住む年齢層はどの年代が多いのか、どのようなレストランが多いのかなどからニーズを見極め、お弁当のメニューにも反映させることが大切です。
お弁当屋を開業するスタイルの中では最も開業コストがかかり、数百万〜1000万円程度は想定しておいた方がよいでしょう。
人件費や水光熱費などの固定費もかかるため、それ以上の売上を上げ続けていかなければなりません。
しかし、安定した収益が見込めれば、長く続けていける営業形態でもあります。
移動販売型とは、キッチンカーなど移動しながら弁当販売をする営業スタイルです。イベント会場やオフィス街などへ出店するため、稼働するときだけ費用が発生します。そのため、店舗型に比べて運営費や開業費用が抑えられるのが大きなメリットです。
ただ、好立地の場所はライバルが多く、競争率が高いです。また、天候に左右されやすいのが難点です。好立地での出店が決まっても、台風や大雪に見舞われることもあります。
また、出店場所のニーズに合った店舗でなければ購入してもらえません。店舗型に比べて安定的な売上が見込めないリスクは覚悟しておいた方がよいでしょう。
開業に必要なのは、専用のキッチンカー、調理器具、料理提供用の容器やビニールなどの消耗品、看板などです。
費用を抑えたい場合は、中古車を自分で改造するなど、できる部分は手作りで行うとよいでしょう。
デリバリー専門型とは、料理やドリンクを配達のみで販売していくスタイルの店舗です。コロナの影響によって中食市場の盛り上がりと共に注目を浴びた業態でもあり、ゴーストレストランとも呼ばれています。
店舗型のようにイートインは不要で、厨房設備や食材の保管環境が整っていれば開業可能です。小さなスペースかつ1人でも営業できるため、賃料や人件費などを大幅に節約できます。ゴーストキッチンとしてゴーストレストラン専用のシェア施設もあります。
また、デリバリーブランドはフランチャイズ加盟店を募集しているところが多いです。フランチャイズに加盟すれば、本部のサポートや物件の斡旋なども受けられるため、未経験でも安心して開業できます。
ただ、実店舗がない分、偶発的な顧客との出会いは期待ができません。どうやって認知度を高めるかがポイントとなります。
また、宅配を自社で行うか、Uber Eatsなどのデリバリープラットフォームに依頼するかでコストも変わります。予算と業務効率を鑑みながら判断しましょう
(▱ ゴーストレストランを開業するには)
お弁当屋は手軽に開業できる業態とはいえ、立派な飲食店の一ジャンルであることに変わりはありません。開業するためには、いくつかの資格や許可が必要です。
下記に代表的なものを表としてまとめましたのでご参考ください。
以上は、最低限必要な資格や許可です。営業のスタイルによって必要な資格や許可はまた変わります。
例えば移動型販売であれば自動車免許は当然必要です。道路上で販売する場合も、警察への許可を取らなければなりません。また、「お弁当を冷凍してWEB上で販売したい!」という場合は、「加熱後摂取冷凍食品」という営業許可が必要です。
地域によって手続きの流れが違う場合もあります。何をどのように取得していいのかわからない場合は、管轄の保健所に連絡をすれば何が必要なのかを教えてくれます。悩んだときはまず保健所に連絡してみることをおすすめします。
弁当屋を自宅で開業することは可能です。ただ、障壁となるのは厨房環境の整備です。
前章でもお伝えしましたが、飲食店の開業には保健所の基準をクリアする環境が整っていなければなりません。自宅だとしても、その環境が整っていれば弁当屋の開業は可能です。
その基準についてはさまざまありますが、例えば手洗い場の設置や、掃除がしやすい床の材質、厨房と周りの環境の仕切りなどが挙げられます。
一般的な家であれば、飲食店が営業できるだけの設備が整っているところはほとんどないでしょう。そのため、改修工事が必要となります。
改修工事は規模と量にもよりますが百万単位の費用が発生します。自己資金があれば問題ありませんが、もし資金がない方は、国や地方公共団体の補助金を活用すれば、コストを抑えて施工をお願いすることもできるので、諦めずに検討してみましょう。
弁当屋を開業するにあたって重要なポイントは3つあります。
先ほどもお伝えしましたが、弁当屋は立地が非常に重要です。「自宅から近いから」「馴染み深い場所だから」という個人的な理由で場所を選んで成功するほど簡単な世界ではありません。
まず、弁当へのニーズが高い年齢層、属性、地域性などを考えた上で、場所を選ぶようにしましょう。それらと提供する商品がマッチしなければ購入には結びつきません。
例えば、お弁当のニーズが高まる時間帯のひとつとして、ランチが考えられます。その時間帯に人通りが増える場所といえばビジネス街です。
ビジネス街に出店するのであれば、ボリュームだけでなくスピード感が求められます。揚げ物や焼き物をその場で用意するようなお弁当では待たせてしまって顧客は離脱します。人通りが多いから出店する、というだけでは売上を伸ばしていくのは難しいでしょう。
人気の高いエリアは賃料も高いです。こちらも予算を含めて検討しなければなりません。
弁当屋の開業には資金が必要です。ただ、全てを自己資金で賄う必要はありません。一般的には自己資金は一部で、大半が融資に頼って開業をしています。
日本政策金融公庫が発表した「2022年度新規開業実態調査」によると、新規開業にかかる費用のうち、80%程度は融資に頼り、自己資金は平均で予算の約20%用意していることがわかりました。
引用:「2022年度新規開業実態調査」日本政策金融公庫調査より
お店のスタイルによって開業費用は数十万〜1,000万円以上と大幅に異なります。自分のやりたいことがどの形なら実現できるのか、その場合の予算はいくらかかるのかを明確にしましょう。
その上で、まずは自己資金がどれぐらい必要なのかを算出しておくことが大切です。
情報化社会の中で、店舗の認知度をどれだけ高められるかは売上に大きく関わってきます。
宣伝手法は時代の流れと共に多様化しています。TwitterやInstagramなどはもちろん、TikTokやYouTube、クラウドファンディングも宣伝の一環となるでしょう。
最近では、飲食店はグルメサイトよりもGoogle Mapで検索する人が増えているため、MEO対策の重要性も叫ばれています。
MEOとはMap Engine Optimizationの略で、「地域名+イタリアン」などで検索されたときに上位表示させるための対策全般をいいます。やり方は、Googleビジネスプロフィールに店舗情報を登録するだけです。
これらは無料でスタートできるため、ぜひ活用していきたいところです。
有料広告も手段の一つですが、以上のように無料でできることはたくさんあります。まずは自力でできるところから始めてみましょう。
それでは、現在成功している惣菜・弁当フランチャイズを「店舗型」と「デリバリー型」に分けて紹介します。
ほっともっとは全国約3,000もの店舗を運営している弁当屋フランチャイズです。運営はプレナスグループです。全国の生産地や食品工場へ直接足を運び、選りすぐりの食材と環境の中で、3億食という膨大な数の商品量を提供しています。
プレナスの強みは、弁当チェーンでありながらメーカーでもあるという点です。プレナスでは調味料や食品の加工を自社工場で行っています。
店頭でそれらを丁寧に仕上げ、「炊きたて」「焼きたて」「揚げたて」を実現しながら顧客に提供します。この商品作りから顧客への提供まで一環して満足できるものを追求できる環境こそがほっともっとの魅力の根源であるといえます。
ほっかほっか亭は、「わたしの街の台所」をコンセプトに40年以上も愛されてきた弁当屋フランチャイズです。運営は東証プライムに上場しているハークスレイグループです。
ほっかほっか亭の魅力は、”親近感”や”温かさ”にあります。
例えば家庭の味に近づけるため、合成保存料をなるべく使用しない弁当作りを心がけています。また、「食は命の健康に責任を持つこと」と定義づけ、店舗の衛生面を徹底的に管理するなど、安心して弁当を楽しんでもらえるための努力を惜しみません。
「まじめに」「つねにあたたかい弁当」「こころをこめて」という3Hを掲げながら、実際にそれらを実現しているからこそ長年愛されているのでしょう。
満足カツ定食みゆき食堂は、カツ弁当が人気のデリバリーフランチャイズです。加盟金や月額ロイヤリティが無料、仕入費用のみで開業できるのが魅力です。
食材にもこだわって国産鶏を使用し、Uber Eatsでも4.6という高得点を誇るほど美味しいと人気です。
メニュー数をたくさん揃えるわけではなく厳選しているため、提供側にとっては簡単なオペレーションで人気メニューを作ることができます。原価率も3割を切るため、高い利益率に期待できます。
肉垣精肉店は、本格的なステーキや焼肉弁当を提供している肉の弁当専門店です。
運営元の株式会社ニクノトリコは、東京築地で実店舗「ビーフカツ肉垣」も経営しており、飲食店運営のノウハウを活かした販売戦略で上手く顧客のハートを掴んでいます。
Uber Eatsや出前館でもトップクラスの高評価を得ています。
元々、肉の卸売も専業としており、海外から国産と幅広い分野の肉に精通しています。厳選した食材を低価格かつコンロとフライパンだけで調理ができるという簡易的なオペレーションも、加盟者にとっては魅力でしょう。
現在、加盟金通常15万円のところ、先着20社まで8万円というキャンペーンも行っています。ご興味のある方は確認してみてください。
筋肉ラボは、業界的にも珍しいチキン弁当専門店です。
高まる健康意識のニーズに応え、低糖質高タンパクの食材として親しまれている鶏肉をメインに使用。サラダも効果的に用いて、ボリュームがありながら300〜500kcal程度の弁当に仕上がっています。
いくつかの食材を盛り付けますが、オペレーションは「アルバイト1人でも可能」と謳っており、簡単です。
ダイエット中の人やトレーニングが好きな人まで、身体作りをしている人全般がターゲットとなり、男女年齢問わず幅広い層へアプローチが可能です。
既に50店舗以上の加盟店舗数を誇り、着実に実績を積み重ねています。堅実に売上を確保していきたいという方におすすめのフランチャイズブランドです。
弁当屋は中食市場が盛り上がる中で、まだまだ可能性を秘めているジャンルのひとつです。ただ、時代の流れを読み、顧客のニーズを満たす商品提供がポイントとなります。
さまざまな営業スタイルがありますので、どのタイプがやりたいことを実現するために最適なのかを見極めましょう。
また、既に成功している弁当フランチャイズに加盟すれば、サポートだけでなくブランド力も活用できます。まずはさまざまなデリバリーフランチャイズの情報収集をしてみてはいかがでしょうか。
※huriuri(フリウリ)ではフードデリバリー全般に関するお悩みに無料相談窓口を設置しています。お気軽にご相談ください。
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