飲食店の経営において、お金の流れを把握しておくことは非常に重要です。
お店の利益予測を正確に出すためには、経費を「固定費」と「変動費」に分けて計算する必要があります。
今回は、固定費にフォーカスして、固定費と変動費の違いや固定費を削減するコツを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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事業を営むうえで必ず発生する経費には「変動費」と「固定費」の2種類が存在します。
この二つの費用の最大の違いは、「費用が売上によって変動するかしないか」にあります。
■ 変動費
「変動費」とは、売上の増減に比例して、変動する費用のことを指します。
具体的には、原材料費、パート・アルバイトの人件費、水道光熱費、消耗品費、販売促進費などが含まれます。
フランチャイズで経営する場合、売上歩合制のロイヤリティもこの変動費として計上されることになります。
■ 固定費
「固定費」とは、売上の増減に関わらず、毎月一定の額がかかる費用のことを指します。
具体的には、地代・家賃、光熱費固定契約料、リース料、支払い利、正社員の人件費、インターネット通信費などが含まれます。
フランチャイズで経営する場合、定額制のロイヤリティはこの固定費に分類されます。
(▱ フランチャイズのロイヤリティとは)
固定費と変動費を区別する意味は、大きく三つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
飲食店を経営するにあたって、利益を予測することはとても重要です。なぜなら、売上が上がっていても、利益が上がっていないということが往々にしてあるからです。
より正確な利益予測をするためには、経費を「固定費」と「変動費」に分ける必要があります。
利益は「売上ー経費」で求められます。そして、この経費には売上に応じて変化するものばかりではなく、家賃や人件費など、売上が上がっても変わらない費用もあります。
もし売上が2倍になった時の予測利益を求める場合は、「2倍した売上額ー(固定費+2倍した変動費)」を計算すれば実際の利益に近い利益予測ができます。
固定費は売上の増減に関わらず毎月一定額がかかる費用を指します。
固定費を削減することができれば、毎月同じ額かかる費用を減らすことができるため、長期的な収益の改善を期待することができます。
変動費は売上の増減に関係する費用です。もし変動費を無理に削減してしまった場合、連動してお店の売上が落ちてしまうという可能性が考えられます。
例えば、販売促進費を節約しようとして、広告を以前より打たなければ、その分お客さんは減ってしまうかもしれません。また、光熱費を節約しようと、エアコンの設定温度を変えたりすると、店内が快適でなくなり、客足が遠のくかもしれません。
このように、固定費と変動費では費用を削減する効果が異なります。固定費は見直せば見直すだけ、リスクを少なくして、収益を改善できる費用だと言えます。
固定費を見ることは、新規事業の経営を安定させられるかどうかの判断材料になります。
飲食店が開業から軌道に乗るまでに要する期間は、6ヶ月であると言われています。
このとき、無駄な固定費があると支出が大きくなってしまい、赤字経営が続いてしまうことになります。その結果、お店が軌道に乗る前に破産してしまうことも考えられます。
固定費が必要最低限に抑えられているかどうかは、お店が順調に経営を続けていけるかの試金石になるのです。
飲食店では、支出が売上の90%以下であることが望ましいとされています。
その中でも、固定費は20%以下、変動費は70%以下までが支出の目安となっています。
固定費、変動費の目安は次のようになっています。
(参考:「飲食店の変動費の平均的な目安と改善方法を分かりやすく解説!」https://tenpo.casio.jp/column_industry/detail277.html)
コスト削減を行いたい場合は、まずは売上に影響を与えない固定費の削減から始めるのが一般的です。
では、固定費はどのように減らすことができるのでしょうか。具体的に6つの方法を考えることができます。
賃料は、固定費の中で最も大きな出費です。そのため、賃料を節約することができれば、かなり支出を抑えることができるでしょう。
しかし、必ずしも値下げが出来るかというと、そうではありません。
相手の事情も考慮した上で、WIN−WINな条件を提示することが重要になってきます。
例えば、数年間営業を行うことを条件に賃料を安くしてしまうというのは一つの手です。
貸主にとって、テナントの借主が見つからない間の家賃収入が入らないことは損です。そのため、長期間の契約を条件にすれば、交渉にも応じてくれる可能性が高いです。
エリアによって異なりますが、下水道代を減免してもらえる場合があります。
例えば、東京都では、1月当たり50m³を超え200m³以下の 汚水排出量に係る料金について、当該汚水 排出量1m³につき5円を乗じて得た額に百 分の百十を乗じて得た額が減額されます。
また、水道代を減らしたいのであれば、「食洗機の導入」がおすすめです。
食洗機は手洗いと比較すると、7〜9分の1の節水効果を期待することができます。
また、洗い物に必要な人材を使わなくて済むため、人件費も同時に抑えることが可能です。投資額は大きいですが、長い目で見れば確実に支出を抑えることができるでしょう。
節水アイテムを活用してみるのも良いでしょう。
節水コマは、流れる水量を減らし、ハンドルをひねった時にでてくる蛇口からでてくる水の量を自然に減らしてくれる節水アイテムです。
節水コマを活用することによって、10〜50%の節水効果を期待することができます。
昔はエリアごとによって、関東電力、関西電力などと電力会社が決められていましたが、今は電力自由化の時代です。
新電力の会社が増えたことで、価格競争が起こり、お得なプランやオプションがたくさん提案されているため、自分のお店にあった電力会社を選ぶことができます。
自分のお店の状況に合わせて、定期的に電気料金を見直すことをおすすめします。
さらに、照明をLEDに変えることも一つの手段です。
LED照明は、白熱電球に比べて50%も電力を削減することができます。また、その耐久年数も20〜40倍と言われています。
確かに、初期投資としては白熱電球の10倍と高いですが、惜しまず投資することで、消耗品費など後々かかってくる変動費を抑えることにもつながります。
リース契約とは、リース会社に毎月リース料を支払うことによって、一括で支払うことが難しい大型機械などを借りることができるという契約を指します。
リース契約をすることによって、事業主は開業時にかかる負担を軽減できたり、融資枠以外で契約できます。初期費用の少ない事業主にはメリットの多い契約です。
しかしその反面、契約が終了した際に機械の所有権が事業主に移らないことや購入する場合と比べて総額が大きくなってしまうというデメリットも存在します。
リース契約は、原則契約期間内での解約はできません。そのため、開業前や契約更新時に本当に必要な機械か、購入しても問題ないのではないかということを検討することが大切です。
先に述べた電力自由化同様、2017年に都市ガス自由化もなされています。
以前のように決められたガス会社と契約する必要はありません。自分の事業にあったプランを選択することで、ガス代の固定料金を削減できるかもしれません。
また、電気とガスセットでお得なプランを提供している会社もあるため、電気単体、ガス単体で考えず、様々な選択肢を調べておきましょう。
さらに、調理器具を見直すことでもガス料金を減らすことが可能です。例えば、熱効率に優れたフライパンや鍋に買い換えることで継続的にガス料金を削減することができます。
ネットバンクでの取引では、ネットバンク以外の普通の銀行よりも手数料が安い、もしくは無料であることが特徴です。
日常で銀行やATMを利用する場合、お金の出し入れにかかる手数料は取るに足らないものかもしれません。
しかし事業の場合、お金の出し入れの回数は通常よりも多いため、毎回の手数料も馬鹿にはなりません。ネットバンクに切り替えることで、年間の出費を削減できることが多いのです。
あなたがまだ開業前であるのなら、「ゴーストレストラン」として営業することは最も固定費を抑えることができる方法であると言えます。
ゴーストレストランとは、実店舗を持つことなく、デリバリーのみで料理を提供する営業形態を指します。ゴーストレストランは元々ニューヨークで生まれましたが、コロナ禍のデリバリー需要の増加に伴い、日本を含む世界各地で注目されました。
客席スペースを必要とせず、厨房スペースがあれば運営可能なので狭いスペースで開業できます。そのため、毎月支払う賃料をかなり抑えることができます。
さらに、接客のスタッフを雇わなくてよいので、人件費の削減にも繋がります。
ゴーストレストランとして開業することで、固定費を最大限に抑えた経営をすることができるでしょう。
今回は、飲食店を運営していくのに必要な固定費にフォーカスして解説をしてきました。
固定費は売上の増減に関わらないため、一度減らすことができれば、継続的な支出の削減を期待することができます。
今現在、利益を思うように出せていない事業主の方は、ぜひ固定費の削減をまず先に検討してみてください。
また、開業前の方におすすめしたいのが「ゴーストレストラン」という営業形態です。この形態では、実店舗の飲食店よりはるかに安い固定費で運営することができます。
ゴーストレストランでの開業を検討してみようかなと考えている方に利用していただきたいのが、huriuri(フリウリ)です。
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