「リスクを抑えながら安心して独立したい!」
そんな方におすすめなのがフランチャイズでの開業です。
フランチャイズといってもさまざまな業界で展開されています。フランチャイズは経済情勢や社会状況の影響も受けやすく、今後伸びるフランチャイズなのかどうか見極めるためには情報収集が重要です。
今回は、これから注目のフランチャイズ業態を5つ紹介します。その前に、フランチャイズについてより理解を深めていただくために今のフランチャイズ市場の動向や、フランチャイズの魅力・注意点なども解説し、最後に成功事例も紹介します。
これからフランチャイズで開業したい方はぜひ最後までご覧ください。
まずは日本フランチャイズチェーン協会が発表した2021年度の報告を元に、現在のフランチャイズ市場についてまとめます。
近年、フランチャイズが伸びている分野も紹介しますのでご参考ください。
2021年度のフランチャイズ数と売上の推移を見てみると、フランチャイズチェーン数と店舗数は減少しているにも関わらず、売上はトータルで4000億円以上も増加しています。
3業態のうち、サービス業のみがチェーン数、店舗数、売上高全てにおいて減少傾向にありますが、その他の2業態はチェーン数、店舗数共に減少しながらも、売上は微増しています。
さらに各業態の中身を詳しく見ていくと、各業界によって好不況の明暗が分かれています。
今、日本は新型コロナの発生やロシア・ウクライナ情勢、歴史的な円安などさまざまな事態に見舞われており、その影響によって成長している業界、不況に陥った業界に分かれています。
また、かねてから問題視されていた少子高齢化や夫婦共働きなど社会構造の変化も大きく影響しています。
2021年度調査結果に掲載されている「小売業」「外食業」「サービス業」それぞれで好況だったサービスをピックアップして解説します。
◉ 小売業
小売業全体を通してみると、コロナによって外出する人が減少した影響などにより、オンライン販売やECサイトの売上が好調です。しかし、ECに限らず売上を伸ばしている業態もあります。
中でも好況だったとして注目したいのは「リユース・中古品小売」「医薬品・化粧品小売」「コンビニエンスストア」です。
リユース・中古品小売は店舗数が前年比で17.6%、売上高は12.8%も増加しています。貴金属の高騰や、コロナの影響によって減少した収入を補填するために中古品売買が活発化したことが要因と考えられます。
医薬品・化粧品小売も店舗数4.2%増・売上高2.7%増を記録。これも前年度から続くコロナ対策によって、マスクなどの衛生品や医薬品へのニーズが継続的に高まっていたことが影響しています。
コンビニエンスストアは、緊急事態宣言などで外食機会が減少したことによって、冷凍食品や家飲みの需要が高まり、それらのニーズに応えられた結果、売上高も2.9%増となっています。
これらを見ると社会情勢によって生まれたニーズに応えることの重要性が垣間見えます。
◉ 外食業
外食業は、最もコロナの影響を受けた業界のひとつと言ってもよいでしょう。それでもチェーン数は2.0%減、店舗数1.7%減という中で売上高は1.1%増を記録しています。
全体の売上高を押し上げた要因としてテイクアウトやデリバリーの活況が挙げられます。
例えば「カレー・牛丼・各種丼物」は店舗数2.2%増、売上高2.2%増、「ハンバーガー」では店舗数の伸びはそれほどなかったものの、売上高は10.2%増と厳しい状況下の中で大きく躍進しています。
また、デリバリーの代表的な存在でもある「宅配ピザ」もコロナ禍で例年以上にニーズが高まり、店舗数7.1%増、売上高9.4%増と好調でした。
これからはコロナの影響も弱まり、また社会の需要も変化していきます。外食産業もその変化に対応した販売戦略が求められるでしょう。
◉ サービス業
サービス業は、チェーン数、店舗数、売上高全てにおいて前年比で下落しています。ただし、少子高齢化が進行する中で教育・介護業界ではさまざまなニーズがあり、AIやオンラインサービスなどがひとつのキーワードとなっています。
サービス業全体の数値が下落する中で活況だったのは「学習塾」です。店舗数はほぼ変わっていませんが、売上高は5.4%増を記録しています。
コロナの影響により、多くの学校で授業時間が減少し、学習力の低下に繋がるのではという懸念が高まりました。その中で学習塾は子供達のサポート役としてだけでなく、マンツーマン指導のニーズが高まったことによってその重要性が見直されました。
同じようにコロナの影響によって好況の波に乗ったのは「住宅建築・リフォーム・ビルメンテナンス」です。店舗数は1.1%と微増する中で売上は3.8%増えました。
会社員の多くがリモートワークの実現によって在宅時間が長くなり、住居の改修に取り組む家庭が増えたことが要因と考えられます。
その他では「便利屋・家事支援サービス」も売上高6.0%増と大きく伸びています。今や共働きが当たり前の時代となり、社会構造の変化に伴って家事支援の重要性が高まっていることがわかります。
参考:「2021年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告 」日本フランチャイズチェーン協会より
フランチャイズの中でも社会情勢や時代のニーズによってさまざまな影響があることがおわかりいただけたかと思います。
このように幅広い業界で展開されているフランチャイズ業態ですが、そもそもフランチャイズにはどのような魅力があるのでしょうか?ここでは、そのメリットやデメリットをまとめます。
フランチャイズに加盟する一番の魅力は、未経験でも安心して開業ができ、成功へ着実に近づける点にあります。
なぜフランチャイズだと安心して開業できるのでしょうか?それは下記の5つの理由が考えられます。
それぞれ解説します。
■ 店舗運営のノウハウを活用できる
フランチャイズ本部は、多くの加盟店を管理しています。そのため、店舗運営のノウハウを膨大に蓄積しています。
通常の開業であれば、メニュー構成や接客・サービスのオペレーションなど、模索しながら確率していきます。しかしフランチャイズは、既に成功に近づくための最適な方法を知っているのです。
加盟店はそのノウハウをそのまま活用できるので、売上を上げるまでに最短ルートで辿り着くことが可能です。
■ 手厚いサポート体制が整っている
「初めての開業だからオープンに向けて何が必要で、どのように準備していけばいいのか、わからないことだらけで不安・・・」
そんな方は少なくありません。
フランチャイズは、開業の準備から開業後も店舗運営のサポートを行ってくれます。
開業のために必要な機材や設備、手続きなど不明な点は相談しながら進められます。
また、営業スタートしてからも「思うように集客できない」「人がすぐに辞めてしまう」などさまざまな問題が立ちはだかったとき、相談することもできます。
フランチャイズ本部は、加盟店にとって常に心強いサポートパートナーなのです。これから伸びていくフランチャイズを探す際には、サポート体制の充実度もしっかりと確認しておきたいところです。
■ ブランド力がある
フランチャイズに加盟した場合、集客を左右するのは本部の宣伝告知やブランド力です。高い認知度を誇るフランチャイズであれば、加盟するだけでも集客面で優位に立つことができます。
ファン・リピーターが既に多くいるところからスタートできるのはフランチャイズの強みのひとつといえるでしょう。
■ コストを節約できる
フランチャイズによっては、開業にあたっての物件や設備などを格安で提供してくれたり、準備してくれることもあります。そのため、ゼロから開業するよりもコストを抑えられるケースもあります。
■ 営業に専念できる
フランチャイズの場合、宣伝告知やメニュー構成、オペレーション方法の検討などは本部が行います。
通常の店舗であれば、SNSの運用や広告宣伝のためのWEBページ・チラシ制作、季節ごとのメニュー開発などかなりの労力が必要です。これらが削減できるため、通常営業に専念しやすい環境が整っているといえます。
フランチャイズの魅力とは逆に、注意したい点もいくつかあります。
まず、フランチャイズに加盟するためには、加盟金やロイヤリティなどの料金を支払わなければなりません。金額は月額固定であったり、売上に応じて変動したりとブランドによってさまざまです。
月額固定の場合は、売上がゼロでも支払わなければならないため、売上の見込みが立ちづらい開業当初は、厳しい状況に陥る可能性もあります。そのリスクは背負って判断しなければなりません。
また、自由度も限られます。営業方針やサービス内容などは本部が定めるため、個性を発揮しづらい環境があります。
さらに、本部で社会的にネガティブなイメージを持たれるような事件を起こしてしまったとき、加盟店が何も悪いことをしていなくてもその影響は免れません。
自己責任の上で自由に開業したい人にとって、フランチャイズはあまり向いていないかもしれません。ただ、一部では加盟店にある程度の裁量を持たせているブランドもありますので、一定の自由度を求める方は情報収集を欠かさないようにしましょう。
それでは、今後伸びるフランチャイズ業態を5つ紹介します。
新型コロナが発生した影響で私たちの行動に制限がかかり、自宅で食事をする中食市場の盛り上がりに拍車がかかりました。それをきっかけに、デリバリーやテイクアウト事業へ進出する飲食店も増えました。
イートインのないデリバリー・テイクアウト専門店を「ゴーストレストラン」といい、手軽にコストを抑えて開業できる業態として注目が高まっています。
実際に成功事例も多く出てきており、これからの動向に目が離せません。
少子高齢化が進み、高齢者世帯が増えています。また、家計を支えるためや自由を尊重する社会の風潮から共働き世帯も増え、家事や育児など第三者の手を借りなくては生活が難しい時代となっています。
その中で、便利屋や家事支援サービスの重要性が高まっています。先の調査結果からお伝えした通り、業界としても売上を伸ばしている業態のひとつです。
便利屋・家事支援サービスは、掃除や洗濯などの家事全般はもちろん、介護や育児、近隣トラブルへの対応など支援範囲は幅広いです。そのため、若者から高齢者まで多くの顧客層がターゲットとなり、今後もさらに伸びていく可能性を秘めています。
コロナの影響で学校の授業時間が減少し、学習塾で勉強の時間を補填しようとする家庭が増えました。また、少子化によって子供の数は減少し、一人当たりにかける教育費も上昇し、個別指導のニーズも拡大しています。
教育の多様化も見られていく中で、今後も学習塾の重要性は高まっていくと見られています。
中古品市場は、貴金属の価値が見直されて価格が高騰していたり、リユース志向が浸透している影響で活発化しています。先にお伝えした調査結果からもリユース・中古品小売の市場は伸びていることがわかっています。
中古品は多くの業界でも発生します。開業にあたってコストを抑えたいニーズは消えるものではありません。ただ、購入者にとって中古品は「欠陥商品かもしれない」という不安も拭えません。
店舗としての目利きの力も必要ですが、リユース・中古品フランチャイズとして信頼されているブランドであれば顧客も安心して利用してくれるはずです。
高齢化によって身体の不自由な高齢者が単身で生活するケースも少なくありません。自分で料理をするのが困難な人にとって、宅食サービスは非常に助かるサービスの一つです。
さらに栄養面まで考えられたメニューであれば、利便性だけでなく健康面でも魅力的に感じてもらえます。
最後に、フランチャイズに加盟した成功事例をひとつ紹介します。今回は外食産業の中で注目を集めているゴーストレストランの成功事例です。
元々飲食業に従事していた増子さんは、急成長していたデリバリー事業に魅力を感じ、実店舗よりも開業費用が抑えられるゴーストレストランを共同創業者と共にオープンしました。
加盟したフランチャイズ本部は「デリラボ」。200店舗以上の実店舗を運営してきたノウハウを武器に、多数のデリバリーブランドを立ち上げている大手外食企業です。
増子さんが加盟を決めた理由に関して次のように語っています。
「業態のアイデア、写真のクオリティなど、やはり大手外食企業が運営しているだけあって、レベルが高いなと感心させられました。」
加盟後もサポートが手厚く、スムーズに営業を始められたとのこと。毎月発生するロイヤリティも「すぐに回収できそうだと感じました。」と不安はなく、実際にその後1ブランドのみで100万円の月商を記録するなど着実に実績を積み重ねています。
「サポートが手厚いのは分かっていたんですが、自社で使用する食材を探す場合などでも、担当の方に相談すると親身になって一緒に食材を探してくださったり、かなりお世話になっています。」
フランチャイズへ加盟するにあたり、本部の実績やサポート体制などが大切だということがよくわかる成功事例です。
増子さんがゴーストレストラン運営のコツや今後の展望などを詳しく語る記事はこちら
フランチャイズでの開業は、本部のノウハウやブランド力を活用することができ、未経験者でも手厚いサポートを受けながら営業できるため、成功率を高める方法として有効です。
ただし、時代の流れや社会経済情勢によって、参入すべき業界も変わります。またフランチャイズによってロイヤリティなどの料金設定や、サポート内容も異なります。
これから伸びるフランチャイズで開業したいのなら、経済誌やニュースなどをチェックし、気になる業界のフランチャイズについて情報収集を欠かさないようにしましょう。
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