コロナ禍の今、飲食店のワンオペ営業が注目を集めています。
たびたび、メディアなどでも取り上げられ、問題視されることも多いワンオペ営業。
この記事では、そんなワンオペ営業のメリット、デメリット、そして成功させるためにどのようなことをすればよいのかを解説していきます。
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ワンオペ営業とはワンオペレーション営業の略語で、従業員が一人で店を運営している状態のことを指します。
ワンオペ営業では、従業員が接客、調理、清掃から洗い物まで全ての作業を一人でこなさなければいけません。
「あそこのお店、ワンオペで大変そう」や「今日、ワンオペで辛い」などその精神的、肉体的な辛さを揶揄する言葉として使われることが多いです。
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メディアなどで問題視されるワンオペ営業ですが、違法なのでしょうか。
結論から言うと、ワンオペ営業は違法ではありません。仮にワンオペ営業をしているお店があっても、法に触れたり、罰則が課せられることはありません。
しかし、ワンオペ営業自体が問題にならないとしても、副次的に法に触れてしまう可能性があります。それは休憩時間の問題です。
労働基準法では、6時間以上の労働に対しては45分以上の休憩が、8時間以上の労働に対しては1時間以上の休憩を取らなければならないと定められています。
確かに、ワンオペ営業自体、違法ではありません。しかし「急にいっぱいお客さんが入ってきて、休憩が取れなかった」というようなことになると、違法になってしまう可能性があります。十分気をつけましょう。
飲食店の二大経費は「人件費」と「食材費」です。
食材費はお店を営業するのに、欠かせない出費なので切り詰めることはできませんが、人件費は働いている従業員の数を減らすことで削減することができます。
それを最大限切り詰めたものが「ワンオペ営業」です。もともと人件費だったものが、丸々収益になるわけです。これはワンオペ営業の大きなメリットと言えるでしょう。
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たくさんの従業員のいる飲食店の経営には、従業員にうまく指示を出す「リーダーシップ」や店を円滑に運営していくための「協調性」などが重要になってきます。
しかし、そういった点に自信がなくても飲食店を経営したいと思っている人は多いと思います。そんな方におすすめなのがこの「ワンオペ営業」です。
お店を一人で経営していくわけですから、他の従業員と無理に話すといった必要も求められません。また、一人で事業計画を立てることが出来るため、営業日や休日、どんな食材を出すかなど、全てあなた自身で決めることができます。
ワンオペ営業とは、従業員が全ての作業を一人でこなす営業形態です。接客、調理、精算、洗い物、これら全てを一人でできなければなりません。
これには、かなりの肉体的、精神的な疲労がともないます。もし従業員を雇ってワンオペ営業をやってもらう場合、従業員に全てを一人でやらなければいけないというプレッシャーや疲労を与えてしまう可能性があり、結果として従業員が仕事をやめてしまうケースも少なくありません。そうすると、また新しい人材確保やトレーニングに時間や労力がかかってしまいます。
一人でお店を運営する必要があるため、緊急時に頼れる人がいないということが起こり得ます。
営業中にケガをしてしまったり、使用している設備が故障するといった不測の事態が起こった場合、やむなく営業をストップしなければいけなくなることもあります。
また、ワンオペ営業は強盗に狙われやすいため、防犯上も注意が必要です。
ワンオペ営業では、一人でお店を運営しなければいけないため、たくさんの注文が入った時に備えて食材の仕込みをしなければいけません。
しかし、注文が入らなかった場合、そうした仕込みが無駄になってしまう可能性はあります。この点もワンオペ営業のデメリットと言えるでしょう。
すき家では2014年に「ワンオペ営業」が問題視され、当時ワンオペ営業がされていた0時から午前5時までの従業員一人での勤務が廃止されました。
すき家の「ワンオペ営業」が問題視された理由は大きく二つあります。
まず一つの理由は、アルバイトスタッフが大量に離脱したことです。
当時、ワンオペ営業の肉体的、精神的な辛さからアルバイトスタッフが同時期に大量に仕事を辞めました。その結果、すき家は営業縮小せざるを得ず、その影響は全店舗の6割に上りました。
二つ目の理由は、調理に手間のかかるメニューを開始したことです。
当時、吉野家の牛鍋がヒットしたことから、すき家も同様の商品(牛すき鍋定食)を導入しました。しかし、このメニューは通常の牛丼に比べて、4〜5倍の調理時間をかけなければいけません。もともと忙しかった立ち作業に牛鍋の調理が加わったことで、ワンオペ営業のスタッフは過酷業務を強いられることになりました。
(参考:週刊東洋経済、2014年1206号、40〜41ページ)
先ほどのすき家の失敗例では、調理に手間のかかるメニューを導入してしまったために、ワンオペで店を運営するのが難しくなってしまっていました。
「ワンオペ営業」をするにあたって、調理工程を「シンプル」にするということが大切になってきます。複数あるメニューがある場合でも、例えばベースを同じスープやライスにするなどの工夫で調理工程をシンプルなものにすることができます。
また、フランチャイズに加盟することも一つの手です。フランチャイズに加盟すると、一般的に調理が大変な料理でも調理済みのことが多いため、複雑な調理の手間を省くことができます。
ワンオペ営業成功のためには、従業員一人でもお店を運営できる「店づくり」が大切になってきます。では、どのような店が「ワンオペ営業」に適しているのでしょうか。
①カウンタースタイルにする
ワンオペ営業をするにあたって、ホールとキッチンを完全に分けてしまうことは、その分料理を提供する時間が長くなってしまうため、あまりおすすめできません。
ワンオペ営業を効率よくしたいのであれば、作った料理をすぐに提供することができる「カウンタースタイル」が最適であると言えるでしょう。
また、カウンタースタイルであれば、料理を作りながらお客さんとお話ししたりすることもできるため、店の雰囲気がよくなること間違いなしです。
②出来るだけ自動化する
人を頼ることのできないワンオペ営業。機械の手をかりて、効率化を図るのもひとつの手段です。
例えば、券売機やタブレット、ドリンクバーなどのセルフサービスを導入することで、注文を取りに行くなどのホール業務をなくすことができます。
また、業務用の食洗機も値段は高いですが、これからワンオペ営業を続けていくことを考えると効率は確実に上がるため、初期投資として購入すべきでしょう。
③動線を確保する
店内の動きやすさはワンオペ営業をするにあたっては命です。
お皿をどこに置けば取り出しやすいのか、ゴミ箱はどこに置けば邪魔にならないかなど、狭い店内であるからこそ店内の動線は細かく考えましょう。
もちろんキッチンだけでなく、ホールの動線も重要です。メインの通路は最低でも90cmは確保しておきたいところです。お客さん同士がぶつかったりしてしまうとクレームにつながってしまうので、ホールの動線にも気をつけた店を作りましょう。
先ほどのすき家の失敗例では、肉体的、精神的な疲労がアルバイトの大量離脱の原因になっていました。そのため、きちんと無理をしないだけの休憩時間を確保することが大切になってきます。
また、労働基準法では6時間以上の労働では45分以上の休憩が、8時間以上の労働では1時間以上の休憩を取らなければいけないと定められています。違法にならないためにも、ワンオペ営業をするにあたって、休憩時間の管理は重要な要素です。
ワンオペ営業を成功させたいと思うなら、「ゴーストレストラン」としての営業を考えてみるのも良いでしょう。
ゴーストレストランとは、実店舗を持つことなく、デリバリーのみで料理を提供する営業形態を指します。コロナ禍でデリバリー需要が高まったために、今では世界中で展開されています。
接客する必要がなく、その分の手間や時間がなくなるため、「ワンオペ営業」には最も適している形態だと言えます。
また、ゴーストレストランとして開業することで実店舗を持つ場合、約1000〜1500万円かかると言われている初期費用が、約50万〜300万までに抑えることができます。この「リスクの低さ」もゴーストレストランとして営業することのメリットです。
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そして、デリバリーのみのゴーストレストランを営業する上で「どこで」「なにを」売るのかということは、重要な要素となってきます。
「どこでなにを売ればいいのか分からない」、「フランチャイズ本部の担当者とどう連絡を取ればいいの」そんな疑問をもっている方は是非huriuri(フリウリ)を活用してみてください。
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今回は、「ワンオペ営業」のメリットとデメリット、さらにはその失敗例からどのようにすればワンオペ営業を成功させることができるのかについて解説してきました。
「ワンオペ営業」にはメリットとデメリットがあり、それらを考慮した上で開業することが重要になってきます。
「ワンオペ営業」は普通の飲食店と比べ、人気が上がってきている形態ではあるもののやはり特殊な業態です。失敗しないためにも、この記事を参考にしてみてください。
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