お酒が好きな方なら「バーをやってみたい!」と一度は夢見た方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際にバーを開業するとなるとさまざまな疑問や不安が出てきます。
そこで本記事ではこれらの疑問や不安を解消するために、バーという営業形態について詳しく解説していきます。
バーの開業方法を学び、売上を上げるための対策を準備しておけば、安定したバー経営も夢ではありません。
最近のトレンドとなっているバーのバーチャルレストラン化についても触れていきます。
バーにはさまざまな種類があります。
大きく7つに分けてご紹介します。
バーで開業したいのなら、それぞれの特徴を調べて、自分のやりたいことがどのタイプのバーで実現できるのかを理解しておきましょう。
バーを開業するためには、資金が必要です。主な資金の内訳は下記の5つです。
出店エリアや業態によっても必要な資金は違ってきますが、バー開業に必要な資金の目安としては500万〜1000万(60万〜80万×坪数)程度かかると言われています。
これらを全額自己資金で賄うのは大変です。そこで、開業時の資金調達の方法として多くの方が利用するのが「日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫は事業資金の融資を行う公的な融資機関ですが、銀行や信用金庫に比べて審査が通りやすいのが特徴です。
ただ、注意しなければならないのは自己資金ゼロでは難しいということ。審査通過の条件を見てみると、創業資金総額10分の1以上の自己資金の確保が上げられています。
日本政策金融公庫が発表している自己資金の割合を見てみると、約24%が自己資金となっています。
開業にあたっての融資を頼るのは良いですが、自己資金もしっかりと用意しておくようにしましょう。
バーの開業には資格も必要です。主な資格は下記の2つです。
以下詳しく説明していきます。
■食品衛生責任者
1店舗につき、最低1人が「食品衛生責任者」の資格を取得する必要があります。各都道府県の講習を受講します。費用は1万円程度です。
講習希望者は常にいますので、早めに申し込みをしておきましょう。取得後は営業開始までに管轄の保健所へ必ず申請します。
※調理師免許や栄養士等の資格を持っている方は、受講せずに資格を取得できます。詳しくは、管轄の保健所へお問い合わせください。
■防火管理者
防火管理者は、店舗の管理や予防を行うための国家資格です。防火対象物全体の収容人数が30人以上の場合、防火管理者の選任が必要です。
開業するバーの収容人数や延べ面積によって乙種と甲種に分かれています。これは管轄の消防署へ申請します。
資格以外にも必要な届け出があります。こちらも大切なのでしっかり見ておきましょう。
■飲食店営業許可
飲食店開業時には「飲食店営業許可」が必要です。遅くても、営業2週間前には保健所へ提出します。
無許可で営業すると、食品衛生法や風営法違反となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。
■深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜0時以降にお酒を提供する場合、「深夜酒類提供飲食店営業開始届」が必要です。開店予定日の10日前に警察署へ届け出なくてはいけないので、その前に飲食店営業許可を取得しておかなければいけません。
■特定遊興飲食店営業許可
バーと一緒にカラオケやダーツなどの遊興施設を提供する場合、特定遊興飲食店営業許可が必要となります。こちらは、警察署への届け出になります。
■風俗営業許可申請
お客様に対して接客行為(スナックやキャバクラなど)を行う場合必要となります。ただし、お酌をしてもお客様からすぐに離れる、簡単な挨拶だけの場合はこれに該当しません。
許可が出るまで2ヶ月ほどかかるので、早めに警察署へ申請します。
■防火管理者選任届
開業するバーの収容人数が30人以上の場合、防火管理者選任届が必要です。消防法第8条及び各条例で防火管理業務の実施を義務付けられています。そのため、消防署への届け出が必要になります。
防火管理責任者選任届には国家資格である「防火管理者」が必要なので、早めに取得しておきましょう。
※詳しくは、出店される最寄りの保健所、警察署、消防署へおたずねください。
バーの開業で成功するのは、決して簡単な道のりではありません。例えば、下記のようなバーは失敗してしまう可能性が高いといえるでしょう。
バーはインテリアなどにこだわるほどコストがかかります。店舗の雰囲気作りは大切ですが、儲かるためには利益を優先しなければなりません。
多くのバーは一人で運営しています。人件費は他の飲食店業態よりも安く、賃料も抑えられるなどのメリットはあります。
そのため、工夫次第で儲かることは可能です。具体的に次章でそのための方法を紹介します。
バーを長く上手に経営していくためには、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
ここでは成功させるために大切な4つのコツをお伝えします。
以下、順番に見ていきましょう。
コンセプトを明確にすると、お店の魅力が顧客にしっかりと伝わりやすくなります。お店の特色を生かした運営やメニュー作りもできるようになりますので、まずはコンセプトをしっかり練るようにしましょう。
「どうやってコンセプトを考えればいいのかわからない・・・」
そんな方は、よく使われるフレームワーク「なぜ」「だれに」「なにを」「どこで」「いつ」「どうやって」という5W1Hを使って考えてみましょう。
バー経営において立地選びはとても重要です。
下記のポイントを意識しながら、不動産業者に相談をして慎重に選びましょう。
売上管理は店舗を長く運営していく上で必須業務のひとつです。具体的な売上管理の方法としてはこのような方法があります。
一人で運営するのであれば、手書きやPCでの管理でも問題はないかもしれません。ただ、効率的かつ負担軽減を重視するのであれば、決済システムの導入も検討するとよいでしょう。システムを導入すれば、キャッシュレス決済が可能となり、月間売上の集計なども自動で行ってくれます。
最近は現金を持たない人も増えてきており、キャッシュレス決済ができるかできないかで、行くお店を選ぶ人もいます。
また、外国人観光客は特に日本円での支払いに慣れていませんのでキャッシュレスが喜ばれます。現金管理をしなくてもよいため、防犯対策にもなります。
ただし、導入するためにはまず審査を受けなければいけません。その後、使用するにあたっては手数料などのコストがかかる点がデメリットです。メリットと照らし合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
バーで利益を出すためには、他にもさまざまな工夫が考えられます。
◉自分の個性を生かせるお店作りをしてリピーターを掴む
コンセプトに賛同してくれるお客様であれば、必ずリピーターになってもらえます。店舗の雰囲気作り、酒の種類、価格帯など一貫性のあるお店作りにこだわりましょう。コアなファンの存在は、長く続けられるかどうかのポイントと言えます。
◉SNSで発信する
今の時代は自ら発信することが大切です。まずお店を知ってもらいましょう。InstagramやTwitterなどのSNSは無料で作成できます。情報発信だけでなく、コミュニケーションも積極的に行うと、より集客に繋がるはずです。
◉顧客単価や回転率を考えておく
顧客価格を低めに設定している場合、回転率が低いと利益があまり得られません。1日に何名ぐらいの集客をし、売上があれば利益が得られるのかを計算しておくことが大切です。
コロナをきっかけに話題となった「バーチャルレストラン」。実は、バーのアイドルタイムや通常営業時間外に活用できる業態として、導入を検討している方は少なくありません。
実際にバーチャルレストランをバーの副業として導入することは出来るのか?バーチャルレストランがどのような業態なのか、基礎知識も振り返りながら詳しく見ていきましょう。
関連記事:バーチャルレストランとは?メリット・デメリットを解説
コロナ禍で飲食業界も大変な打撃を受けましたが、現在少しずつ回復傾向にあります。ですが、まだ外食時の飲酒に抵抗感を持つ人はおり、バー経営はいまだに影響を受けています。
そこで、安定した収入を確保するため、バー経営の副業としてバーチャルレストランを始める方が増えてきています。
通常、バーは夜の営業です。そのため、昼の空いた時間や店舗をうまく利用すれば売上アップに繋げることができ、安定した収入につなげられるのです。
バーチャルレストランとは、既存の飲食店が営業時間外や空いた店舗スペースを活用して違うブランドとして立ち上げるデリバリー専門店をいいます。
バーチャルレストランのメリットとして、下記の4点が挙げられます。
最短でバーチャルレストランを始めるためにおすすめなのは、自分の挑戦できそうなフランチャイズを探して加盟するという方法です。
フランチャイズに加盟することで本部のサポートを受けられ、売上を上げるためのノウハウも提供してもらえるので未経験でも安心です。
うまくいけば、複数のフランチャイズに加盟することもでき、さらなる売上アップも可能になります。
毎月安定した収入を得るための方法として、バーチャルレストランのような選択肢もあることを頭に入れておけば、不安も薄まって、一歩踏み出す後押しにもなるのではないでしょうか。
バーの開業は、これからでも工夫次第で成功の可能性はあります。
まずコンセプトをしっかりと考えましょう。自分の個性を生かせるようなお店作りを心がけることが大切です。
その上で、バーの経営を安定させる方法として、バーチャルレストランという選択肢もあるということ。利益を優先しながら、自分のやりたいことを実現していきましょう。
あなたにしかできない素敵なバーをぜひ作り上げてください。
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